2010年6月16日水曜日

Xbox 360 キネクトの可能性

今回のE3カンファレンス(6月15日、日本時間)でマイクロソフト社が手がける Xbox 360 の新しいコントローラー、「キネクト(Kinect)」でのプレゼンがあった。
このキネクトは、カメラを設置し、人の動きを捉えてゲームに反映させるというものだ。モーションキャプチャーのイメージで相違ないと思われる。

これを見て非常に高い可能性を感じた。
キネクト対応のコミュニケーションソフトを開発する場合、ボディランゲージを視野に入れた開発ができる。
例えば、これをセカンドライフのようなソーシャルwebツールに適用してみたらどうだろうか。
ライブストリーミング配信サイト、ユーストリームではDJプレイのライブ配信が人気だが、それをこのキネクトと組み合わせることで仮想ダンスホールができる。これによってより臨場感の高い体験が得られることだろう。
そして仮想であるのでアバターを用いることとなる。好き勝手なキャラクターになりきって踊ったりコミュニケーションをとることができる。
物質はなく派手な動きをしても人に迷惑はかけることもない。ダンスホールで突然カポエラをしても問題はない。もちろん目の前のアバターには全て人がいるので不快に思わせることはしてはいけない。

またキネクト自体について、低価格であることが予想できる。既存のモーションキャプチャー関連のツールは殆どが10万円以上はする。しかし新型 Xbox 360 が2.99ドルで発売されていることもあり、それを大きく越えることは考えるのが難しい。
Xbox 360 は Windows PC との親和性が高いが、これにより今までモーションキャプチャーに参入出来なかった素人の映像クリエーターにとって大きな機会を得たことになる。
例えばこの動画を見てどう思っただろうか。

「YouTube - 【第4回MMD杯本選】Chaining Intention【PV】」
http://www.youtube.com/watch?v=XlM6vdaTw9k

最近見つけた私のお気に入りの動画だが、表現豊かで素晴らしいが非常におしい動画だと思った。キャラクターの動きが滑らかさに大きく欠けているのだ。
動物の動きは骨と筋肉で作られるが、その緻密さをデスクトップ上で表現することは手間であり非常に難しい。
それがキネクトを使えば、より安価に、よりスムーズに表現出来るのだ。
キネクト発売の暁には早急にPC連携用ソフトが開発されることを望む。

もっともこういった噂もありどこまでのクオリティになるかは未知数である。
「『キネクト』発表会でMS大失態、実際のプレイではなくただのビデオ垂れ流しだということがバレる : はちま起稿」
http://blog.esuteru.com/archives/507186.html


別の話だが、任天堂のニンテンドー3DSがHMD型じゃなくて非常にがっかりした。

2010年5月5日水曜日

「ARのすべて」感想x#twiyomi

おひさしぶりです。
今回は日経コミュニケーション編の「ARのすべて」の感想などをまとめます。
今回もtwiyomiをしたものをまとめたので本の内容と離れるかもしれません。

まずはこの本はどういう本なのか説明します。
この本はAR、つまり拡張現実、あるいは拡張現実「感」とも呼ばれますが、それについて実際に開発に携わる人達、研究者達13人の解説や意見があります。
誰だと言えば、「ARToolKit(AR開発ソフト)」の開発者である加藤博一さんや、iPhoneアプリで話題をさらった「セカイカメラ」を発表した頓智ドットの井口尊仁社長などがいます。
これからのARのあり方、ARとはそもそもどういった技術から出来ているのか、ARとともに成長しそうな技術はなんなのかといった最先端のARについての話が書かれてあります。

ARとはセンサー系の技術であるというのが本書の内容でした。
例えばiPhoneを持っているのならわかると思いますが、位置情報、方向、角度が揃うとその場所をカメラ越しでCGを重ねることができる。あるいは風景をカメラで認識して、条件に当てはまる場所にCGを重ねるなどです。
つまりセンサーが充実すればするほどARが充実することになります。
これからはセンサーを利用したものが強みを増すのだろうと思いました。
例えば音声をキャプチャしたり、味や香りもいいでしょう。

センサーとはなんでしょうか。
人体のセンサーを機械のセンサーで補助する理由とはなんなのでしょうか。
こういった事を考えると面白いアイディアが沸々と浮かんできます。

ARの怖さというものもあります。
人体センサーに外部センサーが介入してくるという点です。
人は何かをセンサーで感じることができるから、思考したり行動したりできるのです。しかし外部センサーの介入が人体センサーに誤作動を起こしたり、判別への混乱を起こしたりした場合どうでしょうか。
本では例として「電脳コイル」というアニメを挙げました。「電脳コイル」とは電脳メガネと言われるHMD(ヘッドマウントディスプレイ)をつけた子供達の話です。電脳メガネ越しで見る世界はARに充ち溢れ、子供達はいたずらをして回ります。
私にはその世界がとても恐ろしいものが隠れているように思えます。現実の物体が隠れてしまうのは事故を呼ぶのではないか。質感のないものとあるものをごっちゃにしてしまうのではないだろうか。
開発には障害があり、使う方にもリテラシーが求められている技術だと思います。

今後の課題としてはITインフラであるというのが印象です。
AR情報をリアルタイム、ノーウェイトで引き出せるのが最良です。それこそメガネで世界を見るように。
それに関しての技術も紹介されているので興味がありましたら本を手に取ってみてください。
LTEが早く実現するといいですね。

本ではARはあくまでカメラ越しのものという見方であると感じました。
そうではなく、物質にCGを重ねられるという点を見ていないのではないでしょうか。
例えばマネキンにARマーカーを貼って、憧れのアイドルをカメラ越しで再現し、触ったりもできる。可能性は十分ありますよね。そういった研究についてお話があれば良かったなと思います。

ところで任天堂のDSの後継機の話をご存知でしょうか。
ウワサによるとHMD型であると言われています。
それが確かならば、ARは今後のキーワードとして高い可能性があります。すでにiPhoneでも稼働しているARではありますが、ますます目が離せません。

2010年2月24日水曜日

オフ会などで飲み食いしてお金を稼ぐ方法

幹事というポジションは非常においしいという話。
すでにビジネスモデルとして活躍しているかもしれません。
仕組みは簡単なもので、団体の客を紹介するから少しマージンをくれと飲食店と契約します。
そうしてオフ会を企画し、契約した飲食店へ呼び込んで存分に飲み食いをし、お小遣いをいただくというものです。

これを数字にして表してみましょう。
客単価を100として、店側の原価を70(おそらく高い)、利益を30とします。

 100(客単価) - 70(店側原価) = 30(店側粗利)

幹事が店と契約した場合、店側利益30の中から10を仲介料としていただきます。

 30(店側粗利) = 10(幹事収益) + 20(仲介料支払済み店側利益)

一度の飲食費一人当たり4000円だとして、10人も集まれば10%の4000円をいただくことができます。
もっとも飲食店の利益率がどうなっているのかは知りません。実際もっと割の良いものだと思います。

少し興味深いのがこの幹事収益の10というのは幹事が好き勝手にできる数字ということです。
この10を割いてオフ会参加者に値引きとして提供することで幹事の魅力を上げることができます。

 95(客単価) = 70(店側原価) + 20(仲介料支払済み店側利益) + (10(幹事収益) - 5(幹事サービス))

このようにオフ会参加者は通常の5%引きでオフ会に参加できることになり、ここで幹事能力をアピールすることでリピーター確保につながります。

もう一歩進んで、飲食店のみの仕組みとしてみてましょう。
オフ会幹事を飲食店がした場合はこうなります。

 90(客単価) = 70(店側) + 20(仲介料支払済み店側利益) + (10(幹事収益) - 10(幹事サービス))

このように仲介者がいないためオフ会参加者は10%引きで利用できます。ツイッター等の利用で飲食店により関係が近い人が幹事になればどんどん安くなります。

さらにカネはフリー。ゼロコストビジネスです。
必要なのは飲食店の知識と、営業力と、自分の趣味のコミュニティです。
ツイッターやmixiなどのコミュニケーションツールが充実していく中で、この手の仲介業が発展して行くでしょう。
これはぜひ旅行代理店勤務者の副業として活躍させて欲しいビジネスプランですね。色々お店を知っていそうですしね。

2010年2月9日火曜日

「se・きらら」から見えた商品戦略

こういったブログ記事を見つけました。

「18禁のエロゲ 『se・きらら』 が3月に無料配布されるぞー!!:【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´)」
http://blog.livedoor.jp/insidears/archives/52198031.html

この「se・きらら」は通常版を無料配布とし、初回特典版を2800円で販売します。商標はフィギュア制作を事業とするMAX FACTORYが持ちます。
初回特典では「se・きらら」のキャラクターをMAX FACTORYの看板商品であるfigmaシリーズというアクションフィギュアにして同梱します。
この無料配布されるゲームにはクオリティを下げるようなことはしていないと主張されています。

このゲームはいわゆる美少女ゲームというものです。この美少女ゲームというのは実に独特です。
美少女ゲームは一般的にクオリティに対して高額に設定されています。おおよそこの手のゲームはイラスト付きの小説で、時折出る選択肢をクリックして読み進めていくもので、一般常識から言えばボッタクリです。「地雷」と呼ばれるがっかりするようなものも多いです。しかしそれでも分かって買う人もいるということで、ニッチであるから高額でも納得されるのです。
美少女ゲームは当たったとなるとすさまじいメディアミックス展開がされます。その代表としてフィギュアがあります。美少女ゲームを題材としたフィギュアは毎年何点も発表され、専門店や家電量販店に足を運べばその種類と数に驚くことでしょう。そしてフィギュア機能や原材料に対しては高いものが多いです。メディアミックスの例としてアニメ化、マンガ化、キャラクターグッズなどがあります。
そしてゲームが話題作となれば同人作家の二次創作のモチーフとして大いに抜擢します。「物語の先」という表現がいつかどこかで目にしたのですが、これの意味することは一旦終えた話をファンが創造してくれるということです。この二次創作同人作品というのはまさに「物語の先」で、結末したゲームのストーリーをさらに進めたり、サイドストーリーを足したりします。これにより商品寿命は伸びるか、またさらに魅力的な商品に成長する可能性もあり得ます。この同人作品の市場としてもっとも巨大なものにコミックマーケットがあります。コミックマーケットは半年ごとに開催されることから、認知された商品価値は半年間の確約を得られ、また作家にもハイクオリティを出すための十分な製作期間があり、回れば価値はますます膨らみます。

今回の無料配布にはターゲットを一気に広げる効果があります。
無料というパワーは今まで関心の無かった者から、「地雷」を恐れて手を付けるのがレビューが溜まってからと考えている人もすぐにゲームをプレイできます。どれぐらいかの規模は分かりませんがオタクブームからしばらく経ち、当時のノリでオタク化してしまった人はほとんどが18歳以上となっているはずです。規模は当時より増えています。
さらにfigma同梱版を販売することでオトク感もありますが、ゲームだけで満足していたユーザーも取り込める可能性があります。

同梱しているのがfigmaであるということが強いです。
figmaの価格は2800円程度に統一されフィギュアにしてはかなりの安さです。
数を売りたい価格なので無料のゲームとセット販売することでさらに購買欲を誘います。
そしてキャラクターは一人ではなく、すでに一体持っているので別のキャラを欲しくさせます。安いので購買への心理障壁もさほどないでしょう。

こうして無料により認知を得て、高い話題性を確立し、同人などの周辺環境を大きく巻き込んだ商品戦略が見えるのです。

ここでもう一つおもしろいのが、ゲームをフィギュア制作会社が主導することで初期のフィギュア関連の商品発表タイミングをほぼ全て握ることに成功した点と、競合他社に商標という参入障壁を築くことに最高したのが実にうまい!
某B社もアニメ媒体で同じことをしていますが、今回は美少女ゲームという着眼がフィギュアという業界とシナジーを生む面白い事例だと思います。
問題はゲームのクオリティですね。公開を待ちます。

2009年12月6日日曜日

「ウェブはバカと暇人のもの」感想x#twiyomi

今回は中川淳一郎著の「ウェブはバカと暇人のもの」の感想や意見をまとめます。
前回と同じくTwiyomiをしたものをまとめたもで、本の内容から離れることもあります。

この本は日本のウェブユーザーの現状を記したものだと言えるでしょう。インターネットリテラシーが整えば一蹴されるでしょう。そもそもそのリテラシーが日本には馴染んでいないからこの本が作られたのでしょう。

読み始めて私はどうにも著者の意見が飲み込めませんでした。
それは著者が商売を前提であることが原因だと思います。ウェブユーザーとしては読んでいて気持ちのいい内容はあまり書いてありません。
しかしそのことさえ前提として読めば「そういう意見もあるよね」とすんなり飲み込めました。
もっとも「情報はタダではない」はもはや過去となりつつありますが、今年4月の本ですのでそう感じてしまうのは訳ないですね。

この本ではPVを稼げるのはB級ネタの記事や生活に密着したネタであるという内容が書かれています。
それもそうだけれど、「人間くささ」と言い換えた方がピンと来るような気がします。
人が人に話したいと思える話題だったり、記事の人当たりの良さだったり、感情を動かすような記事が受け入れられているのではないでしょうか。
人のドジや悪ふざけに盛り上がるのは、単にB級ネタとくくるには寂しい感があります。
ウェブはコンピュータ機械で作られながら、人と人とをつなぐ社会を体現する道具の一つではないでしょうか。
もはやコンテンツを飾るだけの道具ではなく、コミュニケーションツールとしても、場であるコミュニティとしても活用されます。
そこにあるべき記事こそウェブユーザーは求めるのではないでしょうか。

この本にも最後の方には企業とウェブユーザーのミスマッチについて触れています。
ウェブはきっと企業のためではなく人の為にあるのでしょう。
企業はそもそも働く人の為、助けを必要とする人の為にあります。
人の作り出したものは、作り出された理由はどうあれ人の為へとならされていくのが本当ではないでしょうか。

2009年11月19日木曜日

「グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業」感想x#twiyomi

名前のインパクトがやたらに強いですよね。ついつい手に取ってしまいました。
夏野剛著の「グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業」を読んでの感想をまとめます。

今回の感想はあまり書籍については触れることはないと思います。
実は「Twiyomi」をしています。読書しながらtwitterで思いついたことを「#twiyomi」のハッシュタグをつけてつぶやくというものです。詳しくはこちらを参照してください。

「読書しながらTwitterでつぶやくTwiyomiがあったらどうだろうか:『ビジネス2.0』の視点:ITmedia オルタナティブ・ブログ」
http://blogs.itmedia.co.jp/business20/2009/09/twittertwiyomi-.html

このtwiyomiにより、読んでから感想をまとめるのではなく、読みながら感想を綴っていくことになりました。そうすると書についてつぶやくこともありましたが面白いことに読書は進まず、読む時間より考える時間が増え、脱線した感想が残りました。以下にまとめます。

この本では「SNSは出会い系」というようなフレーズがあり、そこにハッとしました。
twitterやmixiを覗いているとオフ会という単語がよく見られます。
報道メディアでオフ会という単語を使う場合いつも犯罪絡みです。しかし一般的なオフ会についての発言に、そういった悪い印象のものは見受けられません。
ウェブでは独特な社会が作られています。代表的なものが匿名性であったり、流動的な他人との積極的なコンタクトが可能であったりです。
技術は進歩しても、日本はインフラが整備され、国土もそれほど大きいわけでもないのでこれからもオフ会がどこかで行われることでしょう。おそらくそういう機会はますます増えるのではないでしょうか。
しかしウェブ上では匿名性があるからこれからも事件を誘発するのではないかと考えている人も多いことでしょう。私もオフ会に参加したい気持ちはあるのですが、壺を売られたりしないか、怪しげな団体の勧誘を受けるのではないかとついつい考えてしまいます。
そうすると欲しいのが信頼です。手っ取り早いのは実名の公開ではないでしょうか。
すでに実名を公開されてウェブ上で活躍されている方も多いでしょう。たとえばウェブ上で仕事をするライターには多いですよね。
しかしそういった実名を公開されている方はある程度の著名人であったりします。名前を売ることも仕事の一つですからね。
個人ではそれが正しく作用するかと考えると、ストーカーや悪ふざけ被害のリスクがあり、推奨されることではないでしょう。
実名公開は魅力的ではありますが考える点は多いでしょう。

企業サイトには顧客を思わないウェブサイトが日本では多いということは指摘されて気づきました。
それには自分の運営するブログやホームページも入っています。これは今すぐ直すべきだと思いました。しかしこうしたいというビジョンがあるのに技術の不足が歯止めをかけています。
各企業にもこういった何かしらの理由でユーザビリティをないがしろにしてしまったウェブサイトをつくってしまうことがあるのでしょう。そのためにwebデザイナー、webクリエーターという職業があるのですが。
できることをやると考え、できないことを課題ととらえることが、当たり前ですが重要ですね。
ここはスキルアップのチャンスとして考えます。そして面倒臭いです。

ネガティブな感想として、著者が自分の功績をアピールする部分がちょっと嫌いです。
そういうアピールがこれからの社会に重要になるのでしょうが、それはレビュワーに任せてください。そうは言っても書籍なのでオフラインのレビューの反映は苦しいでしょうが。

振り返ると「当たり前を振り返ろう。当然を明確にしよう」という教訓を得たと思います。
当たり前を疑えという言葉もありますけどね。
とどのつまりは「儲けるために働く」だけではなく「人のために働く。そうしたら儲かる」なんでしょうね。


終わりに軽く内容にふれます。
この本では企業がwebサービス事業参入についての夏野剛さんの意見を四章に分けて書かれています。
第一章ではウェブビジネスに参入するにはどういったスタンスで臨めばよいのかが書かれています。
第二章ではウェブビジネスとはどういった特徴があるのかが書かれています。クリティカルマスの獲得の重要性と、後続企業の脅威についても説明されています。
第三章ではウェブビジネスの現在を、過去から見た未来として考え、今後どのように発展していくのだろうかが書かれています。
第四章では今こそ行動に出るべきだというようなまとめです。

少し違うような気がしますが、詳しくは書店で手に取ってみてください。

2009年11月6日金曜日

テレビ番組の低迷にtwitterは救世主になるか

9月から"twitter"を使い始めたのですが、最近は観たいテレビ番組が増えてきました。
これは趣味嗜好で構築したフォローの人が、私の好みに当てはまるテレビ番組を通知してくれるからです。
さらにはtwitterにより番組がさらに面白くなっています。

そもそも私は1人暮らしを始めたのが3年前になるのですが、そのころからあまりテレビは観ることはありません。
なぜなら自分の好みの番組が、私がテレビを点ける時間にやっていないからです。
それならば能動的に興味の情報へアプローチが出来るネットの方へと利用媒体をスライドさせるのは当たり前の流れでしょう。

そうして興味を失ったテレビ番組の中には、全てが全て私にとってつまらない番組ではあるとは言えません。中にはまだ見た事のない番組の中に、私が気に入るかもしれない番組があるかもしれません。
例えば私は"JIN-仁-"というドラマが好きです。これはtwitterのフォローの方のpost(投稿)から知ることが出来ました。
テレビに興味が無いはずの私がどうして、どうしてJIN-仁-に興味を持つこととなったのでしょう。

これには二つの要因があります。

一つは共通の趣味を持つ人が、別の趣味でも共通することが多いことです。
例えば甘い食べ物が好きな人はダイエットに興味がある人が多いと思います。
例えば読書が趣味な人は喫茶店巡りに興味がある人が多いと思います。
つまり共通の趣味を持つ人は、別の趣味でも共通することが多いのです。

もう一つは潜在的ニーズの存在です。
人は表立ったニーズのほかに潜在的で隠されたニーズがあります。
前に挙げた例を使うと、ある人は甘いものが好きな人はダイエットについて興味はありませんでした。しかしその人は誰かからダイエットについての情報を受け取ると、今まで気にしていなかったダイエットについて興味が湧きました。
こんなことってよくあることだと思います。
ニーズを提案する、または情報だけでもその人が得ることで、今まで隠されていた欲求が沸き立ってくるのです。

この二つの要因が作用し、私の潜在的ニーズが発掘されました。
おかげで私は毎週日曜日に楽しいドラマを観ることができるのです。

さらにtwitterはツールを使うことでリアルタイムでのフォローのpostを見ることができます。
これがテレビというメディアの特性に非常に強く反映されます。

twitterではそのとき放送中の番組に対して"実況"が行われます。
この実況とはスポーツ番組の実況とは違い、単にそのtwitterユーザーがテレビを観ながら感想やその番組で何が行われているのかをpostすることです。この実況は2ちゃんねるでもだいぶ以前から行われています。

その実況が共通の趣味の人からのものであれば、自分のニーズにマッチングする確立は非常に高いはずです。
リアルタイムでの投稿の確認ができることが垂れ流しを前提とするテレビ番組と非常にマッチします。
このtwitterによるそそる情報の通知により、テレビ番組は一方的に送信するメディア(プッシュ型)から、自分の興味に従い自分から番組を見に来るメディア(プル型)に変わることができます。当然番組への食いつきも良いものとなるはずです。

また実況はニコニコ動画のように映像コンテンツへの付加価値でもあります。

ではテレビ局はどのようにtwitterを利用すればいいのでしょうか。
私が提案するのは簡単なことです。
番組用のハッシュタグを視聴者に提案すればいいのです。
ハッシュタグとは、ある話題に対してのpostにつける目印のようなもので、"#ns2009"のように#のあとに文字を入れるたものです。
ちなみに#ns2009というハッシュタグは今年のプロ野球日本シリーズでの話題に実際に使われたものです。

フォローしている人があるハッシュタグを付けてpostをしています。
postの内容がテレビの実況のようで、なにやらその番組は面白そうです。
テレビを観るとやはりおもしろい。
ハッシュタグをつけて実況に参加すると、同じ番組を観ている人がフォロワーになってくれた。
ハッシュタグを検索すると、色々な人がそれぞれの見方で観ていて面白い。フォローしてみよう。
毎週この番組を観るたびtwitterが盛り上がって、番組が番組以上に広がっていく。
友人も見始めて、話題がもっと広がっていく。

うまく回転すればこのように視聴者の人数と人気が膨らんでいくこととなります。

もちろん注意点はあります。
スキャンダルやゴシップの暴走があるかもしれません。
仮に起きたとして、ここにオフィシャルが介入するとますますややこしくなる可能性もあります。
その場合はどうしたらいいのでしょうか。
これも実に簡単に解決できます。放っておきましょう。
放っておくとtwitterユーザーは自主的に独自のハッシュタグを作りだし、使い始めます。そこでは比較的建設的なpostが重なり、趣味の合う人たちが集まりだすはずです。
そういった意味でもしもハッシュタグをアピールする機会を設けるならば極小さくさりげなく、それも一度だけでいいと思います。何度もアピールすると悪意のある人がハッシュタグを荒らしにくるかもしれません。

またオフィシャルによる管理はしないほうがいいでしょう。
ユーザーからオフィシャルへのリプライ(返信のtwitterにおける類義)の強要があったり、ユーザーの自主性を損害することにつながります。
視聴者はもはや受け取るだけではなく、視聴者ながら積極的に何かを作り出すクリエーターでもあるのです。それを押さえつけると視聴者は逃げてしまうことでしょう。

もちろんtwitterはまだまだ普及が進んでいません。
ですが一つのあり方としてこれからのテレビ業界、ひいては社会のヒントになるのではないでしょうか。