2009年8月27日木曜日

天野喜孝展「Amano Galaxy」感想

昨日26日12:30ごろに表参道ヒルズで開催された天野喜孝展「Amano Galaxy」を観てきました。

天野喜孝と言えばファイナルファンタジー吸血鬼ハンターDなどのイラストを描かれた方です。
思いつくその画風といえば鉛筆でラフにスケッチし、薄い色を直接塗ったようなイメージものではないでしょうか。今回はそれらもありますが、主に扱われたのは村上隆を想起させるようなアニメ塗りです。線も一本をはっきり描いてありました。

入場してすぐに無料のガイドが希望者に手渡されます(保証金1000円)。
そちらからの受け売りですが、今回使用されたキャンパスはフラットなアルミ板です。額縁は無く外側へヤマオリされたアルミ板にまで描かれており、立体的で見る角度によってキュビズムのように表情を変えます。

塗料は自動車用塗料が採用されています。その塗料の特徴か、筆の軌道が抑えられてアルミ板のフラット感とマッチしています。
またラメ塗料もふんだんに採用されています。ラメ塗料を用いた作品自体が珍しいこともあり見ごたえは十分です。

入場してすぐ右にドロンジョ様がいらっしゃられます。成人男性の身長ほどもある大きな絵で、やや小高く配置された印象を受けました。
ドロンジョ様のイメージとはおおよそセクシーだと思われますが、今回のドロンジョ様はキュートで愛らしく、セクシーさはロリータな幼さの伴うものとなっていました。
ドロンジョ様には黒ではなく赤を配色しており背景も赤です。それが絶妙な赤であってラメであってしばらく立って観ていました。これは素晴らしい!

モチーフの多くはガッチャマンです。しかし天野氏はガッチャマンに独自のストーリーを与えて描かれているようです。既存のガッチャマンの正義の味方というイメージとは違い、神の遣いのような描かれ方でした。
タイトルをメモするのを忘れてしまいましたが、入って正面の奥にあるのが象徴的な絵で目玉の一つです。それは青い背景の中心である1人の白い女を、舞うように囲む白い数人のガッチャマン達です。
白い女は目に力は無く、天野氏らしいどこかおぼろげで妖しく、しかし潔白の感があります。ガッチャマン達の目は優しく生命にあふれていました。
印象として女神を囲む神の遣いといったところでしょうか。
アルミパネル3枚を組み合わせて使い、高さも見上げるほどです。
あまりにも簡素な色使いに驚きました。中心から躍り出るようなガッチャマン達の動きもその色彩から浮遊感漂うものとなっています。

その他にもガッチャマンが描かれた絵は多く、中でも気になったのが黒いガッチャマンです。
黒いガッチャマンには悪いというイメージ。暴力というイメージが植えられているのか顔の彫りは深く、筋肉を若干意識した描かれ方でした。

そこから左を向いた壁にも3枚ぶち抜きのパネルがあります。「Deva-Loca」という絵で、前に紹介した絵とは対照的に赤!黄!緑!青!とごてごてしい色の暴れがあります。中心には身をくねらす女性があり、そこを中心として放射状に見覚えのあるモンスター?達が飛び散るように描かれています。
中でもボムが描かれている数は多く、ただ単に使いやすかったという理由かもしれませんが、天野氏のお気に入り具合が伺えます。ボムへの配色も様々で黄緑色のボムや青いボムもありとても楽しいです。私も好きです。ボム。
どこか注目をさせるのが黒い配色のものです。黒い犬?であったり、2体ほどの黒い騎士がそれぞれ大きめに描かれていました。ごてごてしく絡み合う色の中でそこだけ黒くて全体に落ち着きを与えているのでしょうか。
黒で色を縁取りしされ、色を強調してあります。またある色の隣にはそれと同じにならないように工夫されており、それぞれ派手さを損なわないような配慮がありました。
注目して欲しいのがその絵の右下にある胸が6つある女性です。セクシーで良かったです。髪の毛に当たるところがたくさんの蛇があることからゴーゴンなのでしょうか。セクシーで良かったです。

最後に場内の中心に入りますと、3m×16mの巨大な油彩画が2枚、それぞれ半円状に観る者を囲むように展示されています。「ニューヨークの夜」という絵です。こちらは見知った天野氏の画風です。
サイズはもはや圧倒されてしまいます。
また湾曲されて展示されているので、大きさも伴い足元がクラクラするような不安定感に襲われます。
湾曲された展示ですので右から観たり、左から観たりで表情はころころ変わります。これは面白かったです。
朱色が綺麗でした。


【情報】
入場料 大人1000円 子供500円
展示期間 8/26~8/31
場所 表参道ヒルズ地下3階

【リンク】
info of AmanoGalaxy」(展示会について)

「表参道ヒルズ|Omotesando Hills」(会場)

【余談】
ところでニコニコ動画の企画で描かれたやる夫は展示されていませんでした。残念です。

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